2021年12月21日
副業として注目されている民泊ビジネスですが、必ず稼げて成功するというものではありません。残念ながら失敗してしまう例もあります。民泊ビジネスで成功する上で大切なのは失敗事例を把握しておくことです。失敗する要因を排除していけば、自ずと成功する確率が高まります。
今回は民泊ビジネスでよくある失敗事例について解説。沖縄ならではの事例についてもまとめました。これから沖縄で民泊の開業をしようと思われている方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
目次
民泊ビジネスの失敗例~3つのパターン~
まずは民泊ビジネスにおける典型的な失敗例を3つのパターン毎に解説します。これらは沖縄に限らず起こり得る失敗例です。民泊を開業する上で誰もが陥りやすいパターンなのでしっかりと押さえておきましょう。
その1.民泊の開業に失敗するパターン
まずは民泊の開業時点で失敗するパターンを見ていきましょう。「物件は手配できたけど民泊の開業許可が下りない」「物件選びに失敗してしまった」という2つのいずれかで失敗されるケースが大多数です。それぞれ詳しく解説していきます。
①物件の開業許可が下りない
民泊は旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)、建築基準法、消防法や地方自治体の条例など、様々なルールに従って運営しなければならず、行政機関から許認可を受けてはじめて開業することができます。民泊許可物件を借りたり購入したりしたとしても、いざ開業しようとすると許可が下りない場合があります。
よくあるのが、旅館業法の許可をとるために必要な資料がない、あるいは不備が見つかるというケースです。特に図面が実際の物件の間取りと違っていたために許可が下りないということがよくあります。その要因として、リフォームをして間取りが変わったにも関わらず、リフォーム前の図面を提出してしまうということが挙げられます。この場合消防法や建築基準法に違反してしまうため、再度図面を作成する必要があります。
図面の作り直しは、それだけでも手間がかかるため、事前確認だけでなく、もし作成の必要がある場合は専門家に頼ることも検討しましょう。
②物件選びに失敗した結果、開業できない
物件選びで失敗するケースも非常に多いです。前提として民泊で利用できる物件は限られています。前述のとおり様々な基準を満たしていなければならないこと、そして物件の用途が特殊なことが理由として挙げられます。そのため、物件選びが民泊ビジネスの成否を分けると言っても過言ではありません。
よくある失敗例としては、物件が用途地域内にあるということです。「住居専用地域」内にある物件は民泊を開業することができません。物件のクオリティが高く、許認可に必要な要件や資料も整っていたとしても、民泊の開業が認められていない地域であったがために失敗したケースも非常に多いです。
また、民泊用の不動産サイトに掲載されている、あるいは不動産会社で一般的に公開されている物件も注意が必要です。多くの場合、費用が上乗せされているため、初期費用が高くなりがちです。不動産会社を直接訪ねて探すほか、民泊代行業者との付き合いの中で、良い物件を紹介してくれる場合もあります。
賃貸物件で民泊ビジネスを検討されている方は、こちらのコラムもご参照ください。
沖縄の賃貸物件で民泊ビジネスは成り立つのか?
その2.民泊を開業できても儲からずに失敗するパターン
民泊は開業できたけど、結局儲からずに失敗してしまったというパターンも非常に多いです。民泊開業はゴールではなくスタート。民泊を開業し、それを維持することのほうがはるかに難しいのです。
ここでは開業後に失敗してしまう5つの事例についてご紹介します。
①民泊新法で定められた営業日数を考慮できていなかった
民泊の開業時には「旅館業法」「民泊新法」のいずれかで届出をする必要があります。民泊新法のほうが許可のハードルは低いのですが、年間180日しか営業することができません。営業日数が少ないため利益が出づらく、初期費用の回収に時間がかかってしまうケースもよくあります。加えて、180日を超えて営業してしまうと罰金刑が課せられるという事態にもなりかねません。
この民泊新法によって縛られる営業日数を考慮して、売上などを計算しないと出費分を回収できずに終わってしまうことに繋がります。営業日数に制限がない旅館業法で許可を取ったほうが良い場合もあります。
②立地に問題があった
観光スポットが周辺にない、空港や駅からのアクセスが悪いといった物件はどうしても宿泊ニーズが低くなります。特によくあるのが、値段だけを見て立地が悪い物件を購入してしまうケースです。いくら初期費用が安かったとしても、ゲストが来なければ赤字になってしまいます。
特に土地勘がないエリア、慣れない地で民泊を開業する際にはこうした問題が起こりがちです。
③競合が多かった
逆に観光地から近い、交通アクセスが便利といった、立地が良い物件も注意が必要です。宿泊ニーズが高いエリアでは民泊施設が乱立するため、競合が多いことによって価格競争になりがちです。宿泊単価が低くなって利益が出ないということもよくあります。
立地はそこそこ良く、競合がそれほどいない、バランスがとれた物件を探すことが重要です。特に土地勘がない場所で民泊を開業される際には、現地の事情に詳しい方にアドバイスをしてもらうことをおすすめします。
④サービスのクオリティが低い
やはり民泊事業における大きな失敗は集客ができない=ゲストが来ないということです。良い物件を選んでインテリアにこだわってもサービスが悪ければゲストは離れていってしまいます。とりわけ競合と比較して清掃が行き届いていない、清潔感がないという理由でゲスト離れを起こしてしまうケースが非常に多くあります。
特に昨今では民泊の比較サイトなどでレビューを見ることができます。サービスのクオリティが低いと悪いレビューが書かれてしまい、ゲストがあっという間に来なくなってしまいます。たとえ1件のレビューであっても、それを見ることで「行きたくない」と思われてしまうこともありえます。
日頃の清掃はしっかり行う、消耗品は補充しておく、古くなった備品は取り替えるなど、細かいところにまで配慮して民泊を運営しましょう。
⑤収益計算ができていなかった
ゲストがしっかり来ている、一見すると流行っていて儲かっているように思える民泊施設でも実は赤字経営を続けているというケースは少なくありません。その原因として収支計算ができていないことが挙げられます。
賃料が高すぎる、物件を高値掴みしてしまって返済に追われているなど、物件にかかるコストが高すぎるというのが典型例です。いくら集客に成功していて売上が立っていたとしても、経費がそれを上回れば赤字となります。忙しい割に利益が全然得られないという事態に陥ってしまえば、もはや何のために民泊を開業したのかわからなくなってしまいます。
前述のとおり、なるべく安値で物件を購入あるいは借りられるよう、地元の民泊運営代行業者とパイプを作って紹介してもらうようにしましょう。物件選びの際には必要となる初期費用とランニングコストを算出し、売上を想定して得られる利益についてシミュレーションしておくことが重要です。
その3.民泊で儲かっていてもトラブルが続出して失敗するパターン
適切な物件選びができ、許可もスムーズに下りて、集客も順調で、利益もしっかり出ているとなれば、民泊ビジネスは成功していると言えます。しかし、ちょっとしたきっかけでトラブルが発生し、失敗に転じてしまうケースも少なくありません。
民泊ではゲストによる騒音やゴミのトラブルがよく発生します。深夜まで騒いでいる、ゴミを不法投棄するといったクレームが入ることも珍しくありません。特に海外からの観光客の場合は生活習慣が異なるため、トラブルが発生する確率が高くなります。
民泊を開業する際には近隣住民の方に挨拶回りをし、理解を得ることも場合によっては必要です。また、ゲスト向けのルールブックや冊子には日本語だけでなく外国語でも表記しましょう。防犯カメラを設置するのも効果的です。ゲストを犯罪被害から守るだけでなく、ゲストに対してもトラブルの抑止力が期待できます。また、万が一トラブルが発生したら迅速に対応することが大切です。
民泊で必要な防犯・防災設備については、こちらのコラムもご参照ください。
沖縄で民泊開業に必要な設備費用はいくらかかる?
沖縄ならではの民泊ビジネスの失敗例
沖縄は観光客が多く、民泊を開業するのにうってつてのエリアです。一方で、沖縄ならではの問題も発生します。
まず挙げられるのが自然環境です。沖縄は言わずとしれた台風銀座。平均で年8本台風が接近します。家屋が損傷する、浸水するという被害が発生する危険性があるので、ゲスト向けの台風マニュアルの設置や火災保険への加入などの対策が必要です。
沖縄は海が重要な観光資源ですが、これが悩みのタネにもなります。海風が建物の外壁材やエクステリア、あるいは室内の家具や家電、インテリアを容赦なく錆びさせます。
高温多湿な気候にも注意が必要です。周囲が海に囲まれているため年中高温多湿な気候です。特に夏場はエアコンを25℃以下にしないとすぐにカビが発生してしまいます。冬場であっても油断はできません。知らないうちに水回りや家具、カーペットなどがカビだらけになってしまいます。
他にも、集客や価格設定など、日々の運営も沖縄ならではの民泊事情を知っておく必要があります。
詳しくは沖縄の民泊経営のコツをご覧ください。
民泊を開業する、あるいは民泊ビジネスを続けていく上では、様々な注意点があり、ちょっとしたことで失敗するリスクもはらんでいます。民泊開業・運営のノウハウを持ち、沖縄の事情を熟知した民泊運営代行業者にエリア選定などの助言を得ることでリスクを回避することが可能です。また、集客や日々の運営についてもサポートを受ければ、オーナー様の負担が軽減でき、継続的に利益を得ることができます。
オールステイの民泊は沖縄県の全エリアに対応。現地支社を構えているから、現地でなければ把握できないリアルな相場情報や物件情報をご提供できます。地元出身のスタッフが常駐し、沖縄特有の事情を考慮したサポートも可能です。
様々な民泊の失敗事例をご紹介してきましたが、実際に成功されている方も数多くいらっしゃいます。どんな事業でも失敗はあり得ますので、民泊ビジネスだけが特別リスクが高いということはありません。注意点を押さえておけば多くの利益を得られる魅力的なビジネスモデルです。
沖縄県で民泊の開業をご検討されているのであれば、ぜひ私たちにご相談ください。