沖縄の賃貸物件で民泊ビジネスは成立つのか?

2021年12月21日

民泊を開業するには当然ですが、物件が必要です。「民泊を開業する=物件を購入する」というイメージがあるかもしれません。中には物件を購入することにハードルの高さを感じて民泊開業をためらわれている方もいらっしゃるかと思います。しかし、賃貸物件であっても民泊ビジネスは成立します。

今回は賃貸物件で民泊を開業するメリットや注意点、沖縄での物件探しのポイントについて解説します。民泊の基本的な情報については以下のコラムをご参照ください。
民泊の基礎知識

目次

そもそも賃貸物件で民泊営業はできるのか?

結論から言えば賃貸物件でも民泊を開業することは可能です。ただし、普通のマンションやアパートで勝手に民泊を開業するということはできません。事前に物件の所有者(大家さん)に承諾を得る必要があります。

また、ほとんどの賃貸物件は不特定多数のゲストが出入りする民泊利用を前提にしていません。他の住民も入居しており、トラブルが発生するリスクもはらんでいるため、許可を得られないケースが多いです。

民泊は旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)、消防法、建築基準法などの法律や自治体の条例、用途地域に従って開業しなければいけません。仮に物件の所有者から承諾が得られたとしても、建物が基準を満たしていないがために開業できないケースも考えられます。

ただ、民泊利用OKとしている物件も少なからずあるため、賃貸物件で民泊を開業するという選択肢もあり得ます。

沖縄県内で民泊に向いている場所はどこか?

賃貸物件を探すにしても、沖縄のどのエリアが民泊ビジネスに向いていてるのでしょうか。民泊の利用者としてメインターゲットとなるのが観光客です。そのため、やはり駅や空港からのアクセスがしやすく、かつ観光地との距離が近い立地の物件が理想的です。ただし、あまりにも人気が高すぎるエリアだと競合が多くなり、価格競争に陥るリスクも考えられます。

観光スポットが点在している他の地域では物件選びが非常に難しいですが、県内に多くの人気エリアが分散している沖縄県内であれば、多少不便な立地であったとしてもビジネスとして十分成り立ちます。むしろ、激戦区から少し離れているけれど、立地がそこそこ良い穴場物件が見つかる可能性も高いです。

沖縄県内であれば、やはり那覇市内が人気のため、物件のコストも相対的に高くなる傾向にあります。郊外の物件であれば、比較的安く手に入るでしょう。また、内装や家具あるいはサービスなどにこだわることで、高めに料金を設定したとしてもゲストは来てくれます。

賃貸物件で民泊ビジネスを始める2つのメリット

賃貸物件で民泊を開業するメリットは大きく分けて「小額でスタートできる」「リスクが抑えられる」という2点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

その1.少額でビジネスをスタートできる

物件を購入するとなると何十年にもわたってローンを返済しなければなりません。頭金などの初期費用も必要ですが、賃貸物件であれば元手が少なくても事業をスタートすることができます。

前述のとおり、郊外の物件、あるいは築古物件や面積が狭い物件であれば家賃も抑えることができます。観光スポットが数多くある沖縄では多少辺鄙な場所でも内装などをこだわればゲストが来てくれる可能性は十分にあります。

その2.リスクが低いため、ビジネスの拡大縮小がしやすい

2020年に端を発した新型コロナ禍で観光業は大きなダメージを受けました。民泊業界も例外ではありません。何らかの社会情勢の変化や不況などで観光需要が低下した場合、賃貸物件であればすぐに撤退することができます。物件を購入した場合は収益が出ない状態で保有するか、売却しなければいけません。

また、元手が少なくスタートできるため事業拡大しやすいというのもメリットです。賃貸物件で民泊を開業し、ある程度収益が得られるようになったら、あるいは観光客が増加して集客が見込める状況になったら、2軒目3軒目というように、どんどん事業規模を拡大することも可能です。

民泊可能な賃貸はかなり希少?

民泊向けの物件を探していると売買物件が多く、賃貸はあまり見かけません。民泊OKとしている賃貸物件はかなり希少であるのが実情です。ここからはその理由について解説します。

ちなみに民泊物件専用の不動産ポータルサイトもありますが、このようなポータルサイトに掲載されている物件は基本的に割高に家賃が設定されていることが多いため、注意が必要です。

沖縄で民泊OKの賃貸物件が少ない理由

前述のとおり、多くの賃貸マンションやアパートは民泊利用を想定して運営されていません。すでに住民が住んでいるため、不特定多数のゲストが出入りする民泊は嫌厭される傾向があります。物件の所有者としても民泊を開業されることで騒音やゴミの不法投棄、あるいは犯罪などのトラブルが発生するリスクが高くなるため、どうしても許可が出しにくいのです。

加えて、民泊事業者の管理がいい加減であることも民泊利用を躊躇される要因です。以前は民泊での利用を許可していたが、規約を守らない、清掃をしない、トラブルが発生しても見て見ぬ振り……こうした苦い経験から民泊利用を断っている物件の所有者も少なくありません。

沖縄で民泊用賃貸物件の見つけ方~3つのPoint~

数少ない民泊用賃貸物件。どのように探せばいいのでしょうか?その方法を民泊のプロが解説します。ぜひ、以下のようなことを意識して物件を探してみてください。

また、先に結論を述べると民泊に適した賃貸物件はなかなか見つかりません。選べるほど選択肢があるという状況も、まずありません。そのため、以下の最低限のポイントを押さえた物件が見つかれば、その物件で勝負していく必要があります。

Point1.住居専用地域ではない

まずは物件あるいは検討しているエリアの「用途地域」を確認してみましょう。一つの街の中でも「商業地域」「工業地域」「住居専用地域」というように、用途が定められています。民泊を含めたホテル・旅館施設は住居専用地域で開業することができません。住居専用地域はその名の通り人の住居を建てるための地域であり、住民の平穏な生活を守るためにこのような規制がなされています。『地域名+都市計画図』などで検索することで用途地域マップを確認することができます。

物件を借りたはいいものの、そこが住居専用地域であったために民泊が開業できなかったという失敗例もあるため、注意が必要です。

Point2.賃貸物件の管理規約に注目

賃貸物件の管理規約を事前に確認しておきましょう。特に着目する場所は用途です。「居住用」とされている場合は基本的に事業用に転換することはできません。不動産サイトによっては「事業用」や「事業利用OK」という検索条件をつけて物件を検索できる場合もあります。ただし、事業利用OKでも民泊に転用していいかどうかは必ず確認しておきましょう。

Point3.物件の見た目

不動産サイトや不動産屋さんで情報収集する際に物件の管理状態についても注目してみましょう。

賃貸物件を民泊利用する場合、トラブルが発生しやすいために通常なら物件の所有者や管理会社に敬遠されがちです。しかしながら、たとえば物件のポストからチラシがあふれている、共有部が散らかっている・汚れているという状態であれば、物件の所有者や管理会社の管理が行き届いていないことが考えられます。こうした物件においては、管理側が物件の民泊利用に対して難色を示さない(トラブルが起きやすくなることに対してあまり気にしていない)可能性があります。そのため、不動産サイトや実際の物件を見て判断する際の参考になります。

民泊用の賃貸物件を探すのは容易なことではありません。比較的民泊の需要が高い沖縄で開業する場合でも、やはり利益が安定的に出る物件を探すのは難しいです。物件探しには沖縄の土地勘が必要であり、ある程度時間をかけてみきわめなければいけません。

そこで、民泊運営代行業者に相談されるのが得策です。オールステイの民泊では沖縄県内で数多くの民泊用賃貸物件の取り扱い実績があり、実際に開業までサポートさせていただきました。沖縄を知り尽くした現地スタッフが最適な物件をご提案します。物件探しはもちろん、開業後の集客や運営に関してもしっかりとお手伝い。二人三脚で民泊ビジネスの成功に導きます。

沖縄で民泊を開業したい、民泊用の物件を探されているという方は、ぜひオールステイの民泊にご相談ください。